美人は無罪になる?

 

 最近セクハラとかが話題になってますが,そういう観点でこの話を読まれると困るんで,あらかじめそこのとこはご了承下さい。あくまでも事実を書くだけですので。(^^;

 

 この話は犯罪学の「暗数について」の授業に関連してなされた話です。暗数とは「警察白書」や「犯罪白書」等の統計に現れてこない犯罪の数をいいます。詳しくはこちらをお読み下さい。

 

僕がね,アメリカ(カリフォルニア大学)に留学してた時の話なんだけど,向こうのロースクール(法律専門学校みたいな物)の授業で調査をしたんだよ。

まず,ブロンドで,8頭身くらいの美人の女の子を連れてきて,「この子が万引きをした,あなた方が裁判官だとして,あなた方はこの子を有罪にするか,無罪にするか?」って,学生達に質問したら,8割が無罪と手を挙げたのね。

次に髪は赤毛でチリチリで,ちょっと太って,ブスな女の子を連れてきて,「この子が万引きをした,あなた方が裁判官だとして,あなた方はこの子を有罪にするか,無罪にするか?」って,学生達に質問したら,今度は9割方が「ギルティー」有罪って手を挙げたのね。

これは彼らだけに限らず,どこでもだいたい同じなんだよ。

これはアメリカの話だけど,私がそのあと日本に帰ってきたあとで,まだ田宮先生がご健在の頃(田宮先生は99年1月に他界された刑訴の教授です)あの有名な「尊属殺」違憲判決を出した裁判官の内の一人を講演会にで呼ぶっていうから,聞きに行ったんだよ。で,聞こえにくいから一番前の席で聞いてたんだけど,最初から3分の2くらいまで話したところは,まあ,事件の概要とか裁判の流れとかを説明してたんだけど,そこでふっと「いやあ,それにしてあの時の被告の女性が美人でなかったらあの判決は出なかったでしょうなあ。」って言ってねえ。私は「ええっ?最高裁の判事もアメリカのロースクールの学生と同じなのか。」ってビックリした覚えがあります。そしたら田宮先生があわてて飛んできて,「いやあ,先生はご高齢ですから,これ以上話すのはちょっと無理みたいですから,ここで講演会をうち切らせていただきます。」って。せっかく本音が聞けてこれから面白くなるってとこだったのにねえ。あのまましゃべらせておけばもっと面白い話が聞けたかも知れないのに,残念だと思わない?

とまあ,こんな話です。しかし,最高裁の判事も所詮女性にはかなわない?(苦笑)